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相談事例02

相談事例02

賃貸アパートの原状回復トラブル

相談概要

築30年近いペット可の賃貸アパートに9か月住んでいた。退去後、大家からペットの臭いがクリーニングをしても取れないので、壁紙を張替える。その費用を、一部払ってほしいと言われた。契約書には退去時にハウスクリーニング代を払うようにと書かれているので、クリーニング代は払うつもりでいる。壁紙の張替え費用を負担しなければならないか。また敷金28万円は返金されないのか。

 

アドバイス

(1)アパートの退室時は大家の立会の下で部屋の状況を確認することが大切です。

 

(2)「ペット飼育可」のアパートであっても、ペットの飼育状況により通常の使用とは言えない場合は原状回復費用の負担も必要となります。

 

(3)原状回復工事の内容と費用明細を求め、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に大家と話合いましょう。
なお、飼育ペットによる柱等のキズ・臭いについてのガイドラインの考え方は、次のようになっています。
【共同住宅におけるペット飼育は未だ一般的ではなく、ペットの躾や尿などの後始末の問題でもあることから、ペットのより柱、クロス等に傷がついたり臭いが付着している場合は賃借人負担と判断され場合が多いと考えられる。】

 

(4)話合いで合意が得られない場合は、簡易裁判所に調停や少額訴訟の申立をして、敷金返還を求める方法もあります。

 

 

 

一口メモ

【参照】「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方(国土交通省)
賃借人の原状回復義務の考え方や負担対象範囲について基準を定めています。

 

(1)原状回復とは

「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。

原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化

(2)「通常の使用」とは
「通常の使用」の一般的定義は困難であるため、具体的な事例を次のように区分して、賃貸人と賃借人の負担の考え方を明確にしました。

chintaiapart1

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出所:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方(国土交通省)

 

なお、襖紙や障子紙、畳表といったものは、消耗品としての性格が強く、減価償却資産の考え方を取り入れることにはなじまないことから、経過年数を考慮せず、張替え等の費用について毀損等を発生させた賃借人の負担とするのが妥当であると考えられます。

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