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相談事例09

相談事例09

高齢の母が訪問販売で、高額な羽毛布団を購入していた。事業者に解約を申し出たが応じない。他にも多数、寝具類を買っているが過去に購入した商品も解約返金は可能か。

相談概要

7日前、一人暮らしの83歳の母が事業者の来訪を受け、45万円の羽毛布団の購入契約を締結していた。契約書面を確認すると、羽毛布団は未受理で支払方法は現金払いとなっていた。母は年金生活のため預金を解約し代金を支払うつもりでいた。
事業者に羽毛布団の解約を申し出ると、メーカーに発注したので解約には応じられないと断られた。
母の自宅の押し入れには未使用の布団セットや敷きマット、乾燥シート等の寝具類が大量に入っていた。母は羽毛布団を販売した事業者から寝具を買ったと言っている。
これまで購入した商品を返し返金を求めることは可能か。

 

アドバイス

(1)本件のような販売手法は、一人の高齢者に対し次々と商品を購入させる「次々販売」の典型事例です。
また、消費者の支払能力の有無を全く意に介しないまま大量に商品を購入させており、契約内容によっては「過量販売」に当たる取引です。

 

(2)消費者が訪問販売で契約した場合、「特定商取引法」により、クーリング・オフ期間内であれば無条件解除が可能であり、消費者が被る財産被害を防ぐことができます。
本件契約については7日前に訪問販売により契約した取引で、「特定商取引法」の「訪問販売」に該当します。
事業者から法定書面を受け取った日から8日間以内であれば無条件解約が可能であり、クーリング・オフができます。

 

(3)本件事業者は、消費者が契約解除(クーリング・オフ)を申し出たにもかかわらず契約の解除を妨げる行為をしているため、特定商取引法の禁止行為であるクーリング・オフ妨害に該当し事業者の行為は行政処分の対象となります。

 

(4)過量販売については、平成20年6月に「特定商取引法」の改正がなされ、過量販売解除権が認められるようになりました。(過量販売の解除権は訪問販売に限定)
訪問販売の際、消費者が通常必要とされる量を著しく超える商品(役務・指定権利)を購入した場合、契約締結後1年間は契約の申込みの撤回又は契約の解除ができますが、消費者が購入した寝具類が異なる商品であれば、過量販売にあたらないケースもあります。
また、消費者に特段の事情があった場合には、例えば「親戚に配る」といったような過量な契約を必要した場合は解除できないとされています。
1年以上前の契約については過量販売解除権が認められないため、特定商取引法の禁止行や不実告知等による取消しに該当する行為がなかったか等で事業者との解約交渉を行うことになります。

 

(5)本件のような勧誘方法は、事業者が「特定商取引法」の「老人その他の者の判断力の不足に乗じ、契約を締結させること」、「顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘行為」を行った可能性があります。
判断力が低下した高齢者に対し、不必要な商品を購入させ年金や貯蓄を切り崩させ財産を奪うケースもありますので注意が必要です。

 

一口メモ

訪問販売で契約をした後、クーリング・オフ期間が経過していても事業者の勧誘行為に問題があった場合には契約解除ができることもあります。諦めないで消費者センターに相談しましょう。

 

「特定商取引法ガイド」消費者庁

 

(過量販売に関する参考資料)
公益社団法人 日本訪問販売協会
自主行動基準細則「通常、過量には当たらないと考えられる分量の目安」

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