2018年度石油連盟事業報告3

今後の活動に向けての考察

 

災害と石油をテーマにした意見交換会も3年目となる。
全国的に多発する災害に対し、市民の備蓄や災害に対する意識はかなり具体化してきたと感じるが、 それでもわざわざ防災をテーマに議論をする機会は多くはないのが現状であろう。
このような状況と今年度の意見交換会の結果を踏まえ、意見交換会の今後の在り方について、 以下の通り考察した。

ガソリンや灯油の備蓄の必要性については意見交換会を開催すれば理解してもらえ、 どう広報していくか、具体的な提案の議論になる。身近な防災情報(ハンドブック等) には石油に関する情報はほとんど見当たらず、 備蓄の呼びかけなどを、もっと知らせていく工夫が必要である。
意見交換会がそのようなアイデアを出し合える場になればよいのではないか。

ワークショップの後半に提供される石油連盟からの情報は、 開催地における災害対応状況が盛り込まれる等、常にアップデートされており、 地域の防災を考える上でも非常に参考になっている。
中でもSSのおかれている現状や、住民拠点SSの役割と設置状況、 自治体との協定や道路整備(土砂崩れなどの対策等)の状況については強い関心が示される。
参加者にとっては地元自治体の情報を確認したり、 問い合わせたりすることの必要性を認識する機会ともなっており、 今後も未開催地域での開催の意義は大きいと思われる。

意見交換会ではそれぞれの地域ならではの経験や情報などに触れることも多い。
それらの情報を他の開催地で紹介していくことで、一層議論が深まるなど、 地道な広報活動だからこその効果も生まれている。

今回は、自治体の相談室や消費生活センターで日頃から消費者のつなぎ手として活動している人だけでなく、 防災士、防災担当職員などの参加も得られたことが特徴として挙げられる。
また静岡においては、 NACSの分科会が行政との協働で防災情報の冊子を制作しているなどの事例も見られた。
平常時、災害時における備蓄や情報のあり方を、今後地域住民が共有していくには、 このようなつなぎ手が他地域や業界の動きや現状を知り、 それを地域に草の根的に広げていくことが望まれるのではないか。そういう観点から、 今後は地方自治体の方など、ステイクホルダーの輪を広げていくことも必要であろう。

以上の考察をふまえ、NACS環境委員会としては、 今後も多くの地域で住民の視点に立った意見交換会を開催し、 意識啓発につなげていきたいと考えている。