プラスチックはペットボトルなどの容器包装から家庭用品やオモチャまで、日常生活のあらゆる場所で利用されています。軽くて丈夫、持ち運びしやすい、様々な製品に加工しやすいなど多くのメリットがあり、世界中で多様な製品に使われています。

 レジ袋やペットボトル、ワンウエイ食器、商品パッケージなど、使い捨てされるプラスチックが私たちの暮らしの中には沢山あります。ポイ捨てや屋外に放置されたプラスチックごみが、雨や風で河川などを通じて海に流れ込む、海洋プラスチックごみが日々発生しています。プラスチックは自然分解されないため、ずっと海に残り、クジラやウミガメ、イルカ、海鳥など海で暮らす生き物を脅かしています。私たちが出したプラスチックごみが、日本や世界中の海岸に沢山漂着し、海を汚し、海洋生物に悪影響を与えています。

 レジ袋やペットボトルなどのプラスチックごみは海を漂い、紫外線による劣化や、波の力などで細かく砕けて5ミリ以下の粒(マイクロプラスチック)になります。これらは数百年以上も分解されず自然界に残るだけでなく、海中の有害物質(PCBやDDT)を吸着しやすい性質を持っています。世界全体で大量に発生する海洋プラスチックごみは長期にわたり海に残存し、このままでは2050年までに魚の重量を上回ると予測されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されています。プラスチックごみの削減は世界的な課題であり、プラスチックとの賢い付き合い方が問われています。


出展:政府広報オンライン

 そのような中、セブン&アイHDは環境省との実証実験を経て、傘下のイトーヨーカ堂やセブン-イレブン・ジャパンなどの店舗にペットボトルを回収する機械を設置し、年間3億本を回収しています。これらを再生したペットボトルを使って日本コカ・コーラが飲料を生産し、セブン&アイがプライベートブランドとして販売します。ボトルtoボトルのリサイクルは、天然資源を採掘しないことで省資源に貢献し、高度な循環型リサイクルを実現できます。

 セブン-イレブン・ジャパンでは、ペットボトルの回収に協力すると、5本につき1ポイントを自社カードの利用者に還元しています。しかし、店舗の作業負荷増大や回収したペットボトルの保管スペースの不足、店頭から回収する収集運搬コストの増加、いたずらなどモラル面での課題が発生しているとのこと。中には、大量のペットボトルを回収機に長時間にわたり投入する人や、ボトル内にタバコの吸い殻を入れたまま投入するなど、回収した資源の品質を損なう行為が一部に見られており、プラスチックごみ削減に向けた消費者のモラルが問われています。

 日本の1人あたりプラスチック容器包装廃棄量は、米国についで多い状況です。持続可能な開発目標であるSDGsの目標14は、「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」と明記しています。プラスチック生産の主要国でもある日本は、国際的議論に積極的に関与し、地球全体の海洋プラスチックごみ削減に貢献する役割が求められています。

【私たちにできること】
・マイバックを持参し、レジ袋はもらわない
・マイボトルを持ち歩き、プラスチックカップごみを減らす
・マイ箸を持ち歩き、プラスチックスプーン、フォークなどのごみを減らす
・スーパーなどで食品を小分けするポリ袋の過剰使用を減らす
・詰替用品を利用し、プラスチックボトルの廃棄を減らす
・プラスチック製ストローの使用を控える
・マイストローを繰り返しリユースする
・紙ストローを利用する
・ペットボトルの利用を減らす
・スポーツ飲料はペットボトルの購入を止め、粉末を利用する
・コーヒーはレギュラーコーヒーか粉末を利用し、紅茶はティーバックを利用する
・緑茶は急須で茶葉から入れる
・飲料水の質が向上していることから、ペットボトルのミネラルウォーターの利用を見直す
・食品保存は蓋付容器を利用し、ラップの使用を減らす
・買い物時は簡易包装を頼む
・屋外に出掛けた際はごみを持ち帰る
・ごみは所定の場所、時間に分別して出す
・分別の精度向上と異物混入防止に努める
・川や海岸のクリーン活動に参加する
・プラスチック削減に取り組む企業を応援し、その商品を選ぶ

2019年5月にスイスで開催された有害物質の国境を越えた移動を制限するバーゼル条約第14回締約国会議は、汚れたプラスチックごみを新たに条約の規制対象とすることを決定しました。2021年1月から、汚れたプラスチックごみの輸出は、輸出相手国の同意が必要となります。日本でも家庭や企業から排出される廃プラは相当な量に上り、年間100万トンを上回るプラスチック廃棄物がアジアに輸出されています。
6月29日に開かれたG20大阪サミットでは、国際的に問題となっている海洋プラスチックごみ(廃プラ)を2050年までにゼロにする目標を決めました。「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」をG20でリードしつつ、他国にも賛同を呼びかけていきます。日本の知見を生かして、途上国の適切な廃棄物管理などに貢献していきます。
私たちは今、暮らしの在り方を見つめ直す時に来ています。


SDGs(Sustainable Development Goals):持続可能な開発目標