古紙リサイクルに関する消費者懇談会に出席しました。トイレットペーパーやティッシュは毎日使う消耗品であるからこそ、価格と使い心地を兼ね合わせた満足感を重視する傾向が消費者にみられます。総務省の小売物価統計調査による「主要商品の50年間(1966年~2016年)における価格変移」をみると、物価の王様と言われる鶏卵よりトイレットペーパーの倍率は小さく、0.57となっています。トイレットペーパーは50年前の約半額で購入できる、突出した価格の優等生と言えます。
古紙業界の努力の積み重ねを感じます。資源を最大限に活かすため「活かして、捨てない」をキャッチフレーズに、すべての紙は資源と捉えています。現在では、オフィスや金融機関、行政などの機密書類を分別不要で回収し、未開封・無選別でリサイクルする技術を確立しています。ホチキスやWクリップで留めたままの紙、防水加工されたアイスクリームやカップ麺の蓋、宅配便の伝票などのカーボン紙、圧着式ハガキ、写真、窓付き封筒、切符、ジュースなどのアルミ付き紙パックやラーメンなどの紙カップ、レシートなど、これまで焼却処分されていた難再生古紙をリサイクルし、再資源化する取り組みが川崎市や富士市、愛知県小牧市、瀬戸市、常滑市など一部の自治体で始まっています。しかし、残念ながら多くの自治体は、いまだにこれらをごみとして焼却しています。レジ袋の有料化やエコバック利用が常識となったように、全国の自治体で難再生古紙のリサイクルが可能となり、更なるごみ削減とごみ分別の簡略化が進むよう期待しています。
日用雑貨であるトイレットペーパーの輸送は、トラック物流が大半を占めます。昨今の高速道路料金の値上げやガソリン・軽油等の高騰、運転手不足などが古紙業界にも大きく影響を及ぼしています。地震や異常気象による豪雨・洪水・大雪など、日本は災害が頻発しています。そのような中、備蓄用トイレットペーパーは通常の2.5倍の長さがあるにも関わらず、コンパクトに製造されており、収納や運搬の負担を軽減できるようになっています。災害大国の日本に必須のアイテムで、被災地はもとより、生産地が被災したことを想定した備蓄も重要となります。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標12に「持続可能な消費と生産パターンを確保する(つくる責任、つかう責任)」があります。循環型社会を目指し、日本に限らず世界的な動向として消費・調達をより良くしていくことが求められています。以前に東京都環境局が製作したごみ減量キャンペーンのポスターは、「まだバージンパルプにこだわるの!?」と、再生紙利用を訴えていました。循環の輪を回すためには私たち消費者が再生紙を積極的に選択し、購入、利用することが重要となります。二度と再生できないティッシュやトイレットペーパーなどの紙こそ、100%再生紙を使っていきたいものです。

 

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