現在アメリカに在住している筆者は、全米で大型スーパーを展開しているクローガー(Kroger)を日頃利用している。本社をオハイオ州シンシナティに置くクローガーは、2012年度版世界の小売業ランキングで第5位の位置に ある。競争と対応の4原則である大型店舗化・グルメ化・低価格化・豊富な品揃えを満たすべくメガストアを展開し、プライベート・ブランド(自社開発製品)による競争力強化を行っている。

 

クローガーの駐車場には、“Are your reusable bags still in the car? (車の中にリユースできるバックを置き忘れてない?)”と書かれた看板が掲げられている。アメリカは大型カートの大量買いが一般的だが、先日見かけた男性は持参した5個のリユースバックを利用し、レジ袋は一つも貰っていなかった。環境に全く関心のない人ももちろんいるが、最近はイベントなどで各種企業がリユースバックを配布していることもあり、これを利用する人が増えている。

人の背丈より高い大型冷凍庫には、フライドチキンやピザ、冷凍加工食品、アイスクリーム、パンケーキ、野菜、シーフードなどがぎっしり詰められ、数十台が3列に渡りずらりと並んでいる。冷凍庫は通常は電気が消えているが、人が通ると人感センサーでライトが点灯する省エネシステムが導入されている。

 

24時間・年中無休のクローガーは、2009年からキュービジョン待ち時間マネージメントシステム(The QueVision queue management system)を導入している。レジ近くの天井にキュービジョンモニターが掲げられており、レジや入り口に設置された赤外線センサーで客数を計測し、結果をモニター画面に表示している。画面の3つの黄色い丸と数字は、左が現在のレジ稼働数(Lanes Open)、中央は今オープンが必要なレジ数(Action Now)、右は30分以内に必要となる予想レジ数(30 Minutes)を示している。マネージメント担当者はこれを終始確認し、レジでお客様を待たせないよう、無駄のない人員配置をしている。

 

店舗には、セルフを含め約20台のレジがある。レジ全体を見回す位置にスタッフが立っており、空いているレジ№を教えてくれる。日本の様に長蛇の列に並び、順番を待つことは殆どない。キュービジョン待ち時間マネージメントシステムは、人員配置の効率化とレジの待ち時間短縮、顧客リピーター率向上に成功しているようだ。