平成24年10月末に福島の現状を視察した。原発事故は他の東北被災地にはない過大な『災い』を福島にもたらしたことを実感した。地元紙福島民報の『今日の放射能』の関する一面記事をみて、福島の人たちにとっていまだ原発・震災は終わっておらず復興の端緒についたに過ぎない。

 

福島原発から遠く離れ会津地方の奥にある吾妻山麓土湯温泉も原発の影響下にあった。しかし、土湯温泉は自然再生エネルギー事業への取り組みを地域再生事業として位置づけ、高熱利用の大規模地熱発電ではない中低温中規模発電であるバイナリー発電を地域の活性化につなげるという。

 

福島浜通りに位置する相馬市は津波からの復興も思うに任せない現状が如実に現れていた。有数の漁港であった相馬港は津波の被害は甚大で、漁業の復興は大きく立ち遅れている。そのような中でも地元に密着した相双信用組合の必死な取り組みには地域を守ろうとする思いを強く感じた。相双信用組合の浪江・大熊・富岡の3支店が原発20K圏内にあるため営業中止をしているが、地元に帰れない避難者のためにいち早く避難先で相談所を開設し預金支払に応じる体制を取った。

 

しかし、避難者がいつ戻れるのか不明であることや若い世代が地元に戻らないことが大きな問題であり、深刻な放射能不安がこの街の未来に影を落している。

 

そのような中で新規に宮城南部の営業域拡大に取り組み前を向く姿勢は地域の活性化には頼もしい。他の金融機関とは異なり地元密着を大切にする相双信用組合の細かな取り組みは協同組合の原点を再認識させる。

 

電力の供給を受けていた者として、脱原発の願いを新たにするとともに福島の人たちの不安や苦しみを忘れず思いをはせ、改めて福島の復興を願わずにいられない旅であった。

 

がんばっぺ!福島!