日時:2018年4月19日(木)13時~17時30分

場所:全国婦人会館2F 会議室(東京)

 

賛助会員の企業・団体をお招きし、情報交換会を開催し、21の企業・団体から36名の方々にお越しいただきました。

今回は「消費者志向経営の推進のために『消費者の権利』をあらためて確認しませんか?」をテーマに掲げ、特定非営利活動法人消費者ネットジャパン理事長 タン・ミッシェル氏が日本語訳を付したドキュメンタリー映画「チェンジ・メーカーズ」の上映と賛助会員2社を交えたパネルディスカッションを行いました。

併せてNACS消費者志向推進委員会による発表や、これらを受けての意見交換が行われ、有意義な情報交換の場となりました。

以下に、当日の模様をリポートいたします。

映画「チェンジ・メーカーズ」(タン・ミッシェル氏による映画紹介要旨)

チェンジ・メーカーズ(Changemakers)とは、「社会変革を起こした人々」の意味である。オリジナル版は、1995年公開の作品であり、日本語字幕・吹替版は2016年.3月12日に神戸で公開されたものである。本作品には、1950年代以降、米国で消費者の権利を獲得するために闘った人々(=Changemakers) として、ラルフ・ネーダー氏やエスター・ピーターソン氏(故人)をはじめとする多くの米国の著名な消費者運動家・専門家が、続々と登場する。

インタビューを通して、米国の消費者運動・消費者政策の発展について語られており、貴重な映像とインタビューが満載された映画である。米国の消費者運動・政策の歴史を知るだけでなく、出演者の生の声を通じて、彼らの熱い思いも伝わってくる。

 

制作者のヘレン・ネルソン氏は、ケネディ元大統領が特別教書の中で提言した消費者の4つの権利の素案者とされている。そのネルソン氏自身が、この映画を通じて訴えたかったことは、次の3点だとされる。

 

(1)権利に基づき、消費者が業者と対等な立場で取引することがどれほど素晴らしいことかということと、その素晴らしい権利が、ごく普通の人々によって獲得されたものであること。

(2)このドキュメンタリーが、消費者としての重要な役割を確信させる効果があることを願っていること。

(3)゛Changemakers”が国民を教育し、自分の生きている間に起こった進展を称えてくれて、そして、一層の改革を求める励みになることを期待している。

 

映画の見どころは、第1点として、消費者の権利の普遍性・重要性を再確認でき、時代に応じて消費者の権利はどのように確立・保護されるべきかを提起する点である。見どころの第2点として、日本の消費者運動についての、日本の長い歴史、そこから未来を考えるきっかけになるのではないか。次世代の消費者問題専門家が米国・日本の事例から何を学ぶべきかを考えるための示唆となる映画ではないかという点である。

5年以上前に、米国のカリフォルニア州立大学バークレー校附属図書館の倉庫に眠っているこの映画を発見した。以後、多くの方のご協力により日本語版の制作が実現できたことに、感謝申し上げます。

NACS消費者志向推進委員会の活動紹介

映画上映後、NACS消費者志向推進委員会の活動を紹介させていただきました。同委員会は、主として①消費者志向経営の推進・啓発、②消費者志向の企業活動を実践できる人材の育成、③すべてのステークホルダーに向けた消費者志向の啓発などに取り組んでいます。

具体的には、消費者志向マネジメントシステムの仕組みづくりと実践のためのチェックリストの提案、消費者志向経営エキスパート養成講座、消費者志向NACS会議などを行っています。

パネルディスカッション「消費者志向経営と消費者の権利」

消費者志向推進委員会の発表後は、タン・ミッシェル氏、日本生命保険相互会社お客様サービス部消費者室長 花田昌士氏及びパナソニック株式会社CSジャパン本部お客様関連課主幹 田中義雄氏をパネリストとして、ディスカッションを中心に意見交換会が開催されました(コーディネーター:NACS本部広報委員長 釘宮悦子)。

消費者志向経営に関する両社の取組事例をスライドでご紹介いただいたのち、「消費者の権利」というものをどのように捉えているか、消費者の権利について企業にどのように捉えて取り組んでほしいと考えているか、今後どのように消費者志向経営を進めていこうと考えているか等につき活発な意見交換が行われました。

パネリストからは、上記「消費者の権利」について、企業はお客様の視点、お客様本位、消費者目線などの言葉に置き換えて捉えたうえで、消費者志向経営を広めている事例が多くみられることの紹介がありました。

また、企業の取組みに対する要望として、受け手を念頭に置いたうえで消費者に対する情報提供の方法を考えることの必要性、国際的基準に依拠した消費者の権利についても我が国の企業が取り組んでいくべき必要性につき提言がありました。

さらに、今後の消費者志向経営に関して、消費者に向けて正しい情報を早期に提供するための、AIやIoTなどの新技術の活用可能性や、消費者が「知らされる権利」の重要性などにも言及がありました。

 

懇親会は和やかな雰囲気のなかで

続く懇親会では、賛助会員相互で名刺交換し、親睦を図っていただきました。またNACS各理事が自己紹介とともに担当部門の紹介を行い、NACSの活動全般への理解も深めていただきました。

NACSでは今後も、賛助会員企業・団体との交流を深めるための企画を実施してまいります。