日時:2017年4月19日(水)13時30分~17時30分

場所:全国婦人会館2F 会議室(東京)

 

上記日程で賛助会員の企業・団体をお招きし、情報交換会を開催しました。

19の企業・団体から約30名の方々にお越しいただきました。

 

今回は、多くの消費者問題に携わられ、ご活躍中の紀藤正樹弁護士をお招きし、「消費者と事業者をつなぐWin-Winのクレーム対処術」とのタイトルでご講演をいただきました。

併せてNACS東日本支部消費者対応研究会による発表や、これらを受けての意見交換が行われ、有意義な情報交換の場となりました。

以下に、当日の模様をリポートいたします。

 

消費者と事業者をつなぐWin-Winのクレーム対処術(紀藤弁護士ご講演要旨)

消費者・事業者間では情報の質・量、交渉力等に歴然とした格差があり、ゆえに消費者は弱い立場に置かれている。消費者保護は、弱者たる消費者を守るためだけのものではなく、国民生活の安定、国民経済の健全な発展を目的としたものである。

 

消費者相談件数は、この10年ほどは毎年100万件程度で横ばい。消費者庁調査による推計では、現在の日本の消費者被害の推計件数は約985万件で、相談実数と比べた暗数(被害に遭っても相談しない消費者の数)は約10倍強程度。この暗数を減らしていくことが大切である。

 

事業者の責務については、消費者基本法第5条において、苦情を適切かつ迅速に処理するために体制を整備することが定められている。また、消費者教育の推進に関する法律では、事業者および事業者団体が、国や地方公共団体の消費者教育に協力するとともに、自主的な活動に努めることが求められている。消費者被害に遭ったことにすら気づかない消費者もいることから、消費者教育の効果により相談する消費者が増えれば、暗数も減っていくことになる。しかし、消費者教育には限界があり、消費者教育で消費者被害を撲滅することは難しい。

 

そこに、消費者相談窓口の重要性がある。行政消費者窓口の充実を図ることにより、行政側の相談件数が増加すれば、暗数が減少する。より消費者被害の実態が明らかにされるとともに、社会問題化、法改正への道筋が付けられる。法改正により消費者相談が減少すれば、事業者へのクレームが減少する。ルール破りの事業者が市場から撤退し、善良な事業者が勝ち残れるようになることが、消費者にとってベストである。

 

行政消費者窓口に寄せられたPIO-NET情報の活用により、クレーム予想が可能となる。また、事業者の相談窓口は、市民感覚の最前線と言える。窓口に寄せられた声を企業内に展開することで、商品・サービス改善、企業(社員)意識の改善・改革が実現可能となる。

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顧客対応部門での経験とキャリアへの影響(消費者対応研究会発表要旨)

“これから顧客対応部門に就く方の仕事の動機付けになる情報発信”を目的に、当研究会会員とその同僚14名に対して実施したアンケートを実施した。集約結果は次のとおり。

 

質問内容 主な回答
応対部門で仕事を行うなかで、何に助けられたか ・社内の協力体制・社外での仲間と学び・業務を通じて学んだ経験と判断力

・お客さまからの励ましの声

顧客対応部門を始める前の印象と、実際は異なっていたか ・顧客満足に直結する部署である事の気づき・人を育てる部門であるという事・お客様の声の多様性
顧客対応部門の仕事について価値を感じる点はどこか ・顧客とのコミュニケーションそのもの・自分達の仕事が社内の改善に繋がる点・社内の仲間からの感謝

・学びに終わりがないところ

お客様応対の経験が無かったら、現在の自分と、どのような点が異なると思うか ・考え方の幅が広がった・人生そのものに変化が起きた
顧客対応部門での仕事でやり残したこと、見えてきた課題があるか ・自らの経験・スキルを組織に活かす仕組みづくりの必要性・個別の応対以上に組織としての体質改善が必要

 

アンケート集約結果発表後は、消費者対応研究会に所属する会員より、研究会での学びを実際の仕事にどのように生かしてきたかの事例が発表された。

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クレーム対応に関する意見交換会も活発に

紀藤弁護士のご講演、消費者対応研究会の発表後は、出席賛助会員も参加し、意見交換会が開催されました。

 

冒頭、行政の消費者相談窓口で相談員を務めるNACS会員から、「昨今、1件あたりの相談時間が伸びており、結果として相談窓口を増やしても、年間相談件数が増えない結果を招いているのではないか」との現状報告、また「自分たちが受けた相談内容がデータベース化され、法改正に繋がることでやりがいを感じる」等のコメントがありました。

 

また、紀藤弁護士と賛助会員や消費者対応研究会会員との質疑応答では、「形の無い商品に関するお客さまへの説明の難しさ」「説明をご理解いただけないお客さまへの対応の難しさ」等に関し、活発な意見交換がなされました。

 

懇親会は和やかな雰囲気のなかで

続く懇親会では、賛助会員相互で名刺交換し、親睦を図っていただきました。またNACS各理事が自己紹介とともに担当部門の紹介を行い、NACSの活動全般への理解も深めていただきました。

 

NACSでは今後も、賛助会員企業・団体との交流を深めるための企画を実施してまいります。

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