日時:2017年11月11日 13時~15時
場所:ローソンファーム千葉、香取プロセスセンター(千葉県香取市)
内容:露地圃場、選果場、食品加工工場の見学

 

本部・広報委員会では、2016年11月に引き続き2回目の農場見学会を実施しました。9月30日のGAPセミナーで、ローソン農業推進部の北野氏からローソンファームの取組みについてお話を伺っていましたが、実際に農業の現場を見学させていただくことになりました。参加者は、9月30日のGAPセミナーを受講したメンバー3名と千葉分科会14名、広報委員会のスタッフ3名、そして共催の日本適合性認定協会と日本GAP協会の方々も併せ、総勢27名でした。

 

ローソンファーム千葉は、ローソングループの店舗向けに野菜を安定供給することを目的として2010年に、そして、香取プロセスセンターは、ファームで栽培された野菜をカットしてローソングループ店舗向けの中食製造工場や漬物工場に供給するため2014年に設立されました。どちらも篠塚利彦氏が34歳の若さで社長を務めています。篠塚氏は地元農家のご子息。社員構成は正社員8名、海外研修生4名、パート2名です。

 

まず、案内されたのは選果場で、収穫した野菜を洗浄する場所です。大根は洗浄後に冷蔵庫で保管され、品温を下げることで品質を劣化させないようにします。洗浄には、GAP基準に従い、水質検査済の地下水を使用しています。天井の蛍光灯にはフィルムがかけられ、割れてもガラスの破片が混入しないようになっています。刃物などの資材は取り出しの記録を付けるとともに、目で見て分かるように整理整頓することで、作業性の向上と放置(片付け忘れ)による事故発生リスクの低減をはかることが出来ます。

 

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簡単な工程は選果場内の白板に記入していますが、実際にはクラウドシステムで工程を管理しています。長期作付計画や農薬・種の在庫管理、そして農産物の収穫記録と出荷記録、さらには原価計算もできるというスグレ物。スマホアプリで「いつでも、どこでも、すぐに」情報の記録・閲覧・活用ができるところが利点で、従業員の1日の入力時間は約10分とのこと。各従業員に管理を分担することで、従業員の育成にも工程管理が役立っています。親世代は1人1haが限度でしたが、いまは1人2haの圃場管理が出来るようになり、今後は1人3haを目指しているということでした。生産効率の向上にもGAPの効果が現われています。

 

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次は圃場です。ローソンファームでは、約23haの圃場で人参、大根、キャベツ、小松菜を生産されています。ローソンと共に計画した生産計画に対し、欠品させることができないため、天候による影響も考え必要量の120~150%程度を作付しています。種については、保管期間が長くなると発芽率が下がるため、月末在庫数を管理して、デッドストックがないようにしています。農業は事故の多い労働環境ですが、こちらではハザードマップをアプリに登録して、従業員に注意喚起を行っているということでした。

 

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トラクターや農薬散布機などの機械類は、それぞれの担当者を決め、1週間に一度点検を行います。稼働が200時間を超えるとクリーナーで掃除をするなど、マニュアルに従って管理しています。

 

肥料や農薬は、キャベツ畑横のハウス内に保管しています。肥料は濡れないようにパレットに載せ、アプリで使用量・在庫量を管理しています。農薬は鍵のかけた保管庫で管理し、農薬散布時の手順や農薬散布機の運転前後のチェックポイントなどは、すぐに確認できるように保管庫の扉に掲示してあります。使用期限切れの農薬は分けて管理し、指定の廃棄場所に持って行くようにします。

 

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最後は、車で5分ほど移動し、香取プロセスセンターを見学させていただきました。収穫した野菜のうち半分はこのプロセスセンターに出荷しています。こちらはGAPではなく、HACCPに則った工程管理を行っています。衛生管理の厳しい場所のため、作業場の中には入らず、外からガラス越しの見学です。

 

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入室手順や手洗いの方法、作業着の下に着る衣服の説明が掲示され、作業場手前のエアシャワー扉には、持ち込み出来ない物が表示されています。「ローラーかけは30秒行うこと」という標語があり、タイマーも設置されています。野菜の洗浄には電解水を使用し、安全性を高めています。

 

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GAPセミナーで、「青果物の生産だけでなく、次の加工プロセスまで生産地の近くで行うことでリスク低減をはかっている」という説明が北野氏からありましたが、ファームとプロセスセンターの両方を実際に見学することで、より実感をもって理解することが出来ました。「農業も一つのメーカーとして考える」という篠塚氏のお話にも納得が出来ました。

 

「安心・安全というと、漠然としたイメージになりがちだが、GAPのような外部機関が認証する仕組みだと、小売店と共通言語で話すことが出来る」

 

「GAPに取り組むことで、農場で働くプレイヤー全員が1つの基準を軸として情報を共有し、全体のベースアップになる」

 

「バックデータを経営に生かすという考え方が今までの農業にはなかった。経営の見える化が実現し、価値あるデータになっていく」

 

「農業のスタンダードな形が見えるようにしていきたい。それが銀行や業界、消費者に伝わっていくことが大事」

 

「かっこいい農業をやりたい」等々…。

 

篠塚氏や一緒にガイドをしてくださった梢氏の話からは、農業に対する熱意がひしひしと伝わってきました。平均年齢29歳の農業生産法人のこれからが楽しみです。

 

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