日時:2018年2月24日 12時~13時30分
場所:なんかいファーム(神奈川県足柄上郡)
内容:出荷調整室、作業機格納庫、穀物調整室、備品庫、露地圃場

 

<概要>
2017年度2回目の農場見学会は、神奈川県足柄上郡にある「なんかいファーム」にお邪魔しました。参加者は、NACS神奈川分科会16名のほか、スタッフを含めたNACS会員6名と、日本適合性認定協会2名、日本GAP協会1名の計25名でした。

なんかいファームは、資源循環型事業を営む南開工業株式会社の子会社として2009年に設立された農業生産法人で、現在は約10haの圃場で米・大豆・タマネギ等を栽培しています。農業参入4年目に栽培品質の問題で行き詰っていた頃、代表の清水さんが南開工業時代にISO9001や14001の規格運用を経験し、規格に従って作業すると品質が向上するのを知っていたことから、JGAP認証の取得に取り組むことになりました。

 

コンサルティングを6ヶ月受けて2013年にJGAP認証を取得した後は生産性が上がり、耕作面積が増えていきました。前職での経験から、GAPのためにGAPに取り組むのでなく、お客様に信頼される作物を提供するための手段としてGAPを利用することに主眼を置いてきました。規格には原則的な内容しか書かれていませんが、それを都合よく解釈することで妥協せず、お客様の視点から解釈することに努めているということでした。

 

まだGAPに関する社会的認識があまり高くないので、経済的なメリットは殆どありません。しかし、昨今の品質意識の低下に関する報道記事を目にすると、自社はGAPによって品質を担保できていると感じ、自分自身の安心にもつながっているということです。経営上では、GAPに取り組むことで、スペースの有効活用・在庫管理・効率化等による間接的な効果があります。そして、GAPは何よりもお客様の求めるものを実現させるための道具であり、要求の実現に近づくことが出来るのが最大の効果だということです。

 

「オリンピックは一度しかない、オリンピックのためにGAPなど取得するな」
「GAPはお客様が求める品質を達成するための手段として使う」
「ボーダーレスの時代になったことを認識すれば、GAPの取得は必然的なこと」
「求められる要求や環境は絶えず変化する、それに対応して継続的に改善することを将来への投資と考えろ」

そのように話す清水さんの日焼けした顔は、「いいものを作っている」という自信と誇りに満ち溢れていました。

しっかりと説明資料を準備し、お米の試験結果報告書や圃場台帳まで見せてくださるなど、見学者である私たちの期待に応えようとする「おもてなしの心」が感じられました。日々整理整頓を行って改善を加えているというお話からも、GAPを取得してからの日々の実践が重要であることが実感できました。「お客様の視点からGAPを解釈する」という清水さんの言葉から、あらためて消費者の視点に立つことの大切さを学ばせていただきました。

 

<農場内の様子>
■事務所

記録文書類

 

整理整頓された資材

■出荷調整室

出荷調整室の出入り口。交差汚染が物理的に起きないようにしなければならない。

出荷調整室の手前には「必ず手洗いすること」の表示が。

■作業機格納庫

農機具を整然と並べることで、作業時の効率化をはかる。 作業記録を入力し、定期的に点検する。

■肥料・廃棄物保管庫

使用済のビニルなどは風で飛散しないように鍵をかけた保管庫で管理し、回収日にまとめて廃棄することで環境負荷に配慮する。肥料は使用記録をシステムに入力して在庫と突き合わせるため、使う量が分かり、無駄に購入することがない。

■穀物調整室

米・大豆などが保管されている。出入口に注意喚起を掲示することで、従業員だけでなく外部者にも注意を促す。

■備品庫

軽油などの危険物が保管され、通常は施錠されている。

備品庫内の農薬保管庫。この中でさらに鍵付きの戸棚に保管されている。掃除用具は場所ごとに専用のものを配置し、交差汚染を防ぐ。

■圃場

タマネギの圃場。出荷は3月中旬頃。
IPM(総合的病害虫管理)を行い、化学的方法以外の防除を考えながら栽培する。
圃場台帳には、作業記録、施肥記録、防除記録、収穫記録等を記入。