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安全な農産物を選ぶために 【第2回】農産物の安全を証明するしくみ

安全な農産物を選ぶために 【第2回】農産物の安全を証明するしくみ

前回、世界では一定の手順に基づいて農場の管理・運営状況をチェックすることが広がってきていることをお話しました。

 

農場の管理基準は「GAP(Good Agricultural Practice;良い農業のやり方)」と呼ばれています。

 

GAP:農業生産工程管理
農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に即して定められる点検項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活動のこと。
〔出典 農林水産省 平成27年4月「食料・農業・農村基本計画の概要」p.14〕

 

世界には様々な「GAP」がありますが、日本国内でも各都道府県、JAグループ、日本生活協同組合連合会、日本GAP協会などがそれぞれの「GAP」を運用しています。

 

GAP4

 

では、日本GAP協会の「JGAP(Japan Good Agricultural Practice)」を例にとって、農場をチェックする際の評価基準を見てみましょう。

 

    • 栽培の記録がしっかりとってある
    • 農薬を正しく使っている
    • 異物混入を防止している
    • 放射性物質の管理がしっかりできている
    • 農場・団体でルールを決めて、その通りに実施できる 等々

 

GAP2-1

 

専門の審査員が実際に農場に行ってチェックして、これらの基準をクリアしていることを確認すれば、証明書が発行されます。すなわち、「認証を取得」することができるのです。

 

農場が「GAP」認証を取得すれば、消費者・生産者・社会は以下のようなメリットを受けることが可能となります。

 

      • 残留農薬や異物混入のない、安全・安心な農産物を購入できる。
      • 農産物を購入する際、GAPマークが商品選択の目安となる。
      • 農薬・肥料の適正な管理により、農場周辺の環境負荷が軽減される。
      • 農作業における労働事故が軽減される。

 

GAPは、農産物という製品が生産される工程(例えば;種を播く~肥料を与える~刈り取る)を科学的な基準にもとづいてチェックし、信頼できる仕組みが実現されていれば、その農産物を認証する仕組みです。従って、農産物を全品検査するよりも非常に効率的・効果的な方法といえます。

 

 

 

第3回では、日本のGAPと世界のGAPについて具体的に解説します。

 

 

くらしに役立つミニ知識

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