わが家のキッチン!HACCP対応!! (第1話)
みなさんは、安全な食品を届けるために食品工場でとりくまれている“HACCP”というしくみを聞かれたことがありますか?“HACCP”のしくみに従って製造された商品についているマークをご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか?
牛乳、食肉製品、魚肉ハム・ソーセージなどについていますので、お店や冷蔵庫にある商品で確認してみましょう。
HACCPシステムは、食品の危害を未然に防止するために、食品を製造している企業がとりくんでいますが、衛生的に製造された食品も、お店で買って帰って、家で適切に保管、調理しなければ、おいしく安全に食べることはできません。
HACCPシステムは、宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の手法としてはじまりましたが、私たちの毎日の食事の衛生管理にも共通することなのです。
難しいことをしなければならないの? いいえ。
これまで家で食事の準備で無意識のうちにしていたことや気をつけていたことも、実はHACCPの考え方と共通することだったりするのです。
これから、キッチンまわりを「HACCP的視点」で確認しながら、HACCPシステムと私たちの食生活のかかわりを考えていきたいと思います。
食品の製造現場と私たちの食卓は、案外近いのかもしれません。
まずは、キッチンの環境、調理する人、食べる人の行動から!
HACCPシステムといっても、まずは、衛生管理が適切に行われる環境が整っていないと、おいしくて安全な食品提供の実現までの道のりは遠〜いという話です。
HACCPシステムは、食品の安全性を確保しながら加工、製造するためのとりくみですが、その前提として製造する現場や調理する人の衛生管理が整っていなければなりません。
おいしそうな食材、新鮮な食材を買ってきても、きたな〜い手でさわったり、きたな〜いところで料理したのでは、おいしく、安全に食事は作れませんね。
食事をしようと、テーブルについたのだけれど、お皿の上のお料理が腐っていたり、食器が汚れていたり、包装材料の端っこが入っていたりしていては、せっかくの食事が台無しです。
そうならないために!HACCPシステムの大事なポイントは、“できあがった食事(食品)”の衛生状態がどうかを確認するのではなく、「衛生的に調理、加工するしくみ」であるということです。
製品ができあがった段階で確認、検査するのではなく、加工する前に食材が傷んでいることを見つけたら、その場所を除去するとか、腐らないためにはどのくらい加熱しようとか、そもそも材料は傷まないように保管するとか・・・作る前から心配なこと、ヤバそうなことを予測して、そんなことができる限り(健康に影響がない程度に)起こらないように予防しようということです。
そこでHACCPシステムによって調理をする前に前提として整えておかねばならないことがあります。その1つが、キッチンまわり(シンクや調理台、換気扇など)などの調理現場の環境整備です。
つづきは、次回に。
次回まで、キッチンをぐるっとながめてみてください。