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IHジャー炊飯器の下にアルミシートを敷いてはいけない!

IHジャー炊飯器の下にアルミシートを敷いてはいけない!

IHジャー炊飯器で炊飯中に発火した。公的機関の調査結果では「火災の原因及び発火場所は不明」とのことであったが、原因を知りたいという相談が家電製品PLセンターにありました。

出火時の状況

10年以上使用した木製棚の上にアルミシートを敷き、その上にIHジャー炊飯器を置いて使用していました。翌朝7時にご飯が炊きあがるようにタイマーをセットしました。6時40分頃、火災報知機の警報音で目を覚ましたら、IHジャー炊飯器付近から発火していました。

家電製品PLセンター立会のもと事業者工場で再現テスト

アルミシートの上にIHジャー炊飯器を置いて使用していたことに注視して、再現テストを行いました。
アルミはIH機能によって発生したうず電流(誘導電流)により発熱しませんが、アルミシートは、薄いほど電気抵抗が増加し、発熱します。

<テスト1> アルミシートを敷かない場合
今回の事故時に使用していた木製棚の天板と同様な材質の木製板の上にIH炊飯器を置き、炊飯開始から10分ごとに木製棚の天板部分の温度を測定したところ、最高到達温度は約40℃でした。

 

<テスト2> アルミシートを敷いた場合
テスト1で使用した木製板の上にアルミシートを敷き、テスト1と同様の再現テストを行ったところ、木製棚の天板およびアルミシートの最高到達温度は約60℃でした。
公的機関によれば、テスト2の温度下の使用を繰り返すと天板内部が炭化状態となり、その後低温発火に至る可能性があるとのことでした。
家電PLセンターでは、この火災の原因は木製棚の上にアルミシートを敷き、その上にIHジャー炊飯器を置いて炊飯中、IH機能によって発生したうず電流(誘導電流)によりアルミシートが発熱。この状態で長期間使用したため木製棚が炭化し低温発火したものと推定しました。

IHジャー炊飯器の仕組み

IHとは電磁誘導加熱(Induction heating)のことです。
IHジャー炊飯器のスイッチを入れると炊飯器の底部に設置されたコイルに電流が流れ、コイルの周りに磁界が発生します。発生した磁界によりうず電流(誘導電流)が流れ、金属(内釜)の電気抵抗により内釜自体が発熱して炊飯、保温ができます。

取り扱い説明書には

A社:安全上のご注意 禁止事項
IH機能により発生した誘導電流により発熱することがありますのでアルミシートの上でIHジャー炊飯器を使用しないでください。
B社:こんな場所で使わない
アルミシートや電気カーペットの上で使わない(アルミが発熱し、発煙、発火の原因)
C社:吸・排気口を塞ぐような場所(じゅうたん・ビニール袋・アルミ箔などの上)で使用しない。故障の原因になります。
などの記載がありました。

 

当事例の火災は、IHジャー炊飯器内に流れたうず電流(誘導電流)が内釜自体を発熱させるとともにIHジャー炊飯器の下に敷いたアルミシートも発熱させ、この状況で長期間使用したため木製棚が炭化して低温発火し、火災になったものと思われます。
IHジャー炊飯器は、アルミシートの上で炊飯すると発熱、発火の原因になり、危険です。
電気炊飯器は1954年から発売開始、1979年にマイコンジャー炊飯器、1988年にIHジャー炊飯器が発売されました。長い歴史の中で、電気炊飯器は私たちの生活の中にあって当たり前の家電製品となりました。使用方法にもなれているためIH炊飯器を買い替えても取扱説明書を読まないで、使い始めることが多いのではないでしょうか。
安全に使うために取扱説明書は必ず読みましょう。
ホームセンターや通販で販売されているアルミマットは「使用目的:ガス台や戸棚に敷き、汚れを防ぐためのもの」「ご使用上の注意:使用目的以外には使用しない」の表示はありましたが、IH炊飯ジャーの下には敷かない」の表示はありませんでした。
是非とも付け加えていただきたいものです。

 

資料:家電製品PLセンター インフォメーション《2012年6月度》

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