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臨床検査室の認定制度 (第4話)検査のしくみとマネジメントシステム

臨床検査室の認定制度 (第4話)検査のしくみとマネジメントシステム

翌日、鈴木さんの職場で開かれたミーティングの際、上司から全員に連絡がありました。

 

「そろそろISO 15189認定の定期審査の時期となるので、審査の対応をよろしく頼む。ただし特段準備することはなく、認定審査員からの質問に対しては、いつもやっている仕事の進め方について説明してほしい。」

 

鈴木さんの勤務する臨床検査室では、1年ほど前にISO 15189の認定を取得していました。ISO 15189認定取得に際しては、正確な臨床検査データを出せるように技術体制を整備したことに加え、スタッフの責任分担を明確化し、患者さんから苦情を受けた場合の対処方法、取った記録の管理方法などの仕事の基本部分について、スタッフ全員で検討しながら業務マニュアルを作り上げたものでした。

 

ISO 15189の認定審査では、単に検査技術が十分か、だけではなく、検査室がきちんと運営されていることも審査対象としています。臨床検査室として対外的な信頼感を持たれるためには、業務の基礎ができていることも不可欠だからです。

 

この1年を振り返ってみると、何人か異動や退職がありましたが、仕事の仕組みやルールが確立していたおかげで、引継ぎもスムーズでした。手順が明確になったことで人による作業のばらつきもなくなり、スタッフの働く意欲も増してきました。何よりも、確かな仕組みによる運営と良質な検査とが患者さんや院内スタッフからも評判を呼んでいるようです。

 

さて、一週間後に鈴木さんの職場は定期審査を受けました。審査では、幾つか改善が必要な点を審査員から指摘され、提示された期限に間に合うようスタッフ一同で改善案を検討し、是正処置として報告しました。その後、認定機関から是正処置を認めるとの報告があり、無事、認定の継続が認められました。

 

審査終了後のある晩、鈴木さんはタダシさんとともに審査終了の打ち上げに夜の街へと繰り出していきました。

 

近いうちに、タダシさんは再びメタボの検査を受ける予定ですが、果たしてメタボが改善されたかどうかは神のみぞ知るというところでしょうか。

(「臨床検査室の認定制度」おわり)

 

⇒ 第1話 メタボ健診の検査データ

⇒ 第2話 検査データが出るまで

⇒ 第3話 検査と国際規格

 

 

 

 

<臨床検査室におけるISO 15189を用いた認定の取得は国からの要件になりました>

 

医療法改正の一環で、「外部評価を受けた臨床検査室」が臨床研究中核病院の承認要件となりました。これにより、臨床検査における第三者認定の重要性が益々クローズアップされることになります。

 

  • 臨床研究中核病院承認要件:医政発0331第69号(平成27年3月31日付)
    「医療法の一部改正(臨床研究中核病院関係)の施行等について」
    第7 構造設備・記録 3
    新省令第22条の8に規定する「検査の正確性を確保するための設備を有する臨床検査施設」とは、国際標準化機構に定められた国際規格に基づく技術能力の認定を受けていること等、その技術能力が国際的に認定されたと客観的に判断できる外部評価を受けた臨床検査室を意味するものであること。

 

  • 治験:厚生労働省医薬食品局審査管理課 平成25年7月1日 事務連絡
    「治験における臨床検査等の精度管理に関する基本的考え方について」別添5.
    ・ 検査の精度管理は、治験に係わる検査であるか否かにかかわらず、非常に重要である。各施設は適切な品質管理システムの導入や外部認定の取得等により、時施設の検査の精度を対外的に確保できる体制を積極的に検討する。
    ・ 国際共同治験や医師主導治験をはじめとした治験又は臨床研究を積極的に実施している医療機関では、当該医療機関の検査精度を確保するため、ISO 15189等の外部評価による認定を取得する。

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