平成30年9月12日、消費者庁消費者制度課が行った「消費者契約法施行規則の一部を改正する内閣府令(案)等に関する意見及び適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン改定(案)に関する意見募集」に下記の意見を提出しました。(消費者提言特別委員会)

「消費者契約法施行規則の一部を改正する内閣府令(案)等に関する意見」

1、今回の内閣府令の改定は不要と考え反対します。

今回の改定案は「過度に特定の事業者に依存することがないよう留意する必要がある」との考えからの提案と思われます。しかし、消費者団体訴訟制度においては、特定の事業者の意向に従い差止請求関係業務が不適切に行使されることがないよう、既に制度的手当が行われています。

  • 理事の構成等についての規定(消費者契約法第13条)
  • 適格消費者団体の認定、監督ガイドラインに従い、役職員・専門委員について利益相反の場合の対処方針及び差止請求の相手方と実質的競合関係にある者は当該事案に係る業務には関与しないとの業務規程

これらによって特定の事業者の影響により適正な差止請求権の行使が妨げられるこ

とはなく適正に行使されてきているのが実態です。加えて、今回の労務提供の総額を把握する必要性の提案の意図はどのようなところにあるのか疑問をもちます。しかし、どうしても総額の把握を必須とするのであれば消費者契約法第30条同規則第21条1項8号によるところとするべきと考えます。何人も閲覧請求をすることができる消費者契約法31条3項に挿入することには反対します。

 

「適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン改定(案)に関する意見」

1、現行の消費者契約法で法定している以上の監督厳格化を行うことに反対します。

現在の消費者団体訴訟制度は、すでに消費者契約法第13条にしたがって、理事の構成に制限があります。また、適格消費者団体の認定、監督ガイドラインに従い、役職員・専門委員について、利益相反の場合の対処及び差止請求の相手方と実質的競合関係にある者は当該事案に係る業務には関与しない等の業務規程をさだめ業務運営を行っています。これらの結果、現行制度は適正に運営されており、何ら支障が生じていない現状であるにも拘わらず、現行の法規制を過重するようなガイドライン改定には反対します。

ちなみに適格消費者団体の役員の欠格事由の一つとして、次の規定があります。

 

消費者契約法(抜粋)

第13条 差止請求関係業務(不特定かつ多数の消費者の利益のために差止請求権を行使する業務並びに当該業務の遂行に必要な消費者の被害に関する情報の収集並びに消費者の被害の防止及び救済に資する差止請求権の行使の結果に関する情報の提供に係る業務をいう。以下同じ。)を行おうとする者は、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。

(第2項~第4項略)

5 次のいずれかに該当する者は、第1項の認定を受けることができない。

(第1号~第5号略)

六 役員のうちに次のいずれかに該当する者のある法人

イ 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律、消費者裁判手続特例法その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの若しくはこれらの法律に基づく命令の規定若しくはこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

 

一方、今回のガイドライン改定案は特定商取引法に基づく指示・業務停止命令、景品表示法に基づく措置命令及び食品表示法に基づく指示といった刑事罰にまで至っていない行為(無過失の場合も含む)について適合命令において当該役員の解任を命ずることも想定しており、役員の欠格事由を直接規定するものではないとはいえ、新たに欠格事由を定めるに等しいものと言わざるを得ません。

今回の提案のとおり、2.(3)アの第2段落を加筆し、5.(4)イ(ア)を新設した場合、役員の欠格事由を消費者契約法第13条の規定より拡張するのと同等の効果を生むことになります。ガイドライン改定でそのような対応をすることは許容されないと思料します。

 

2.(3)アの第5段落に事務所について事業者と混同されるものであってはならないとする規定を加筆する件については、適格消費者団体の実情を踏まえたものであってほしいと要請します。

 

今回の「適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン」改定案において、適格消費者団体の事務所に関する規定が厳格化する方向で提案されています。このような規定を置くことで、これまで適正に運営されていた適格消費者団体であっても、一方的にあらたな事務所への移転を余儀なくされることがあり、そのためには相応の費用が発生します。

しかし、そもそも消費者団体訴訟制度は、国による財政支援も手当されておらず、適格消費者団体は公益的な活動を行っているにもかかわらず関係者のボランティア精神によって成り立っています。そうした中でこのような規定が設けられかつ、平成31年4月までという期限設定はあまりに短く、平成30年度収支計画に予定していない多額の支出が生じることになり、当該団体の適正な業務運営に支障が生じることが強く懸念されます。これらの負担を軽減して、当該適格消費者団体の適正な活動が維持されることが必要であり、まずは、施行期日に余裕を持たせるべきであり、さらに、当該適格消費者団体が所在する地方公共団体が、事務所スペースを廉価で貸与したり、事務所移転に要する資金の貸付などの支援を行えるよう、消費者庁が地方消費者行政強化交付金の用途に適格消費者団体事務所確保支援を明示し、地方公共団体に協力を依頼するなど側面支援を行うことが必要と考えます。

 

「特定適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン改定(案)に関する意見」

 

2.(2)体制及び業務規程(法第65条第4項第2号関係)に柱書を付記するに際し、「もっとも」以降を記述する必要はないことを要請します。

 

現在の消費者団体訴訟制度は、すでに消費者契約法第13条にしたがって、理事の構成に制限があります。また、適格消費者団体の認定、監督ガイドラインに従い、役職員・専門委員について、利益相反の場合の対処及び差止請求の相手方と実質的競合関係にある者は当該事案に係る業務には関与しない等の業務規程を定め業務運営を行っています。これらの結果、現行制度は適正に運営されています。制度の適正な運営に支障が生じていない現状であるにもかかわらず、「過度に特定の事業者に依存することがないよう留意する必要」をあえて明記する必要はありません。

 

2.(2)アの第2段落を加筆する件、及び5.(3)(ア)を新設する件

現状、適格消費者団体の役員の欠格事由の一つとして、消費者契約法第13条は、禁固以上の刑を受けた場合または、消費者法に違反して罰金刑までが科された場合を、適格消費者団体の役員の欠格事由としています。

一方、今回のガイドライン改定案は特定商取引法に基づく指示・業務停止命令、景品表示法に基づく措置命令及び食品表示法に基づく指示といった刑事罰にまで至っていない行為(無過失の場合も含む)について適合命令において当該役員の解任を命ずることも想定しており、役員の欠格事由を直接規定するものではないとはいえ、新たに欠格事由を定めるに等しいものと言わざるを得ません。

今回の提案のとおり、2.(3)アの第2段落を加筆し、5.(4)イ(ア)を新設した場合、役員の欠格事由を消費者契約法第13条の規定より拡張するのと同等の効果を生むことになります。ガイドライン改定でそのような対応をすることは許容されないと思料します。

加えて、本改定を行う場合、「当該事業者の行為への関与の度合いなどを考慮」する点は当然ですが、本規定の適用の明確化をはかり恣意的運用を許さない観点から、例示として、社外取締役等の非常勤役員の場合及び当該行為を行った部門に所属しない場合は、本規定の対象とならないことを明示すべきです。