NACSカーボンニュートラル連続講座A

 

■ NACSカーボンニュートラル連続講座A
『1.5℃ライフスタイル〜脱酸素型のくらしを実現する選択肢』を開催しました

■ NACSカーボンニュートラル連続講座A

日 時 :2021年3月23日(火)19:00〜21:00

開催形式:オンライン・ライブ配信(ZOOM使用)

講  師:公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)
      プリンシパルコーディネーター・上席研究員
      小嶋 公史 氏

テーマ :『1.5℃ライフスタイル』
〜 脱酸素型のくらしを実現する選択肢 〜

参加者 :71名
実施報告:参考文献紹介 IGESにジャンプします

本講座は2021年3月23日(火)に開催し、後日動画視聴希望者を含め71名が参加されました。環境委員会から報告いたします。
先日、米国のバイデン大統領の呼びかけで、世界気候変動サミットが開催されました。菅首相は、サミットに先立ち、 2030年度の温室効果ガスの削減目標を2013年度比で46パーセント減とすると表明しました。
脱炭素型の暮らしを実現する社会に向け、日本も待ったなし状況となっております。 その実現に向けての研鑽を高める本講座において、講師の小嶋公史氏 (地球環境戦略研究機関 プリンシパルコーディネーター・上席研究員)から、 ライフスタイル・カーボンフットプリントを減らす必要性の提言がありました。 ライフスタイル・カーボンフットプリントとは、家計消費から生じるカーボンフットプリント (商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して 排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したもの)で、NACSの活動と、とても親和性が高いと考えております。
現時点で日本のライフスタイル・カーボンフットプリントは、一人当たり年間7.6トンです。 それを2030年には2.5トン、2050年には0.7トンに削減しなければ地球温暖化の進行を防ぐ1.5℃目標の 実現は不可能と試算されました。
この目標値の達成のためには、生活者が能動的かつ主体的にこの問題に取り組む必要があります。 小嶋氏は、効果が期待できる3つの分野『住居・移動・食』から削減のアプローチを行いました。
小嶋氏は実現の前提として、「生活者は『長時間労働と大量消費のライフスタイル』 という大きな社会の流れにロックインされており、このロックインを解除していく姿勢が欠かせない。」 と発言されています。つまり、生活者である我々は生活の量だけでなく質の変化、 それに加えて頭の中も根本的に変革しないと、目標を達成できないと発言されているのです。
その延長で、価値観のオプションを増やす必要についても言及されました。わかりやすい事例として、 大量生産・大量消費が常識で、GDP成長に引きずられる価値観を見直し、 価値観のパラダイムシフトを起こすことが挙げられています。
さて、この既存のロックインされた価値観を再考し、脱炭素型暮らしをどうやって実現していくかを、 NACSの皆様と一緒に考えていきたいものです。
そこで、次回以降のカーボンニュートラル講座は、『住居・移動・食』 のそれぞれのテーマを深く考察できる講座を用意しております。講座は講師のレクチャーを聞いた後、 受講者間で少人数のグループに分かれて感想や疑問をぶつけ合うスタイルとなっています。 今回の講座でも、NACSのメンバーから「『がまん』の取組は長続きしない。」との意見があり、 小嶋氏も「何が豊かな生活なのかの哲学的な視点を持つことも大切である。」と話されていました。
以上のような、新しい価値観やパラダイムシフトを起こす『解』を探すための今後の講座に期待してください。
次回のカーボンニュートラルシリーズBは『住居』がテーマです。
(環境委員会 城 郁雄)

主催:公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)

事務局:NACS環境委員会/東日本支部研修委員会


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