安全な農産物を選ぶために 【第3回】日本のGAP、世界のGAP
最終回では、日本および世界におけるGAPの現状と、GAPマークがどのように使われているかを紹介します。
日本のGAP
日本国内では各都道府県、JAグループ、日本生活協同組合連合会、日本GAP協会などにより様々なGAPが開発・運用されており、それぞれに特徴があります。
地域性・想定している農業現場・第三者認証の有無、などによって内容が異なりますが、農産物の安全性に対する信頼度を高めるという目的は、いずれのGAPも同じです。
国では「GAPの共通基盤に関するガイドライン」(平成22年4月)を策定し、この水準以上のGAPの普及・拡大を推進しています。※
私たち消費者は、農業者のGAPの取組みによって、安全で品質の良い農産物がもたらされることを十分に理解したうえで、積極的に応援することが必要です。
GAPには証明マークのないものもありますが、ここでは、日本で見ることのできるGAPマークの例を紹介しましょう。
世界のGAPの例
世界のGAPには、大きく分けて二つの流れがあります。
- 行政が定めるGAP
例:農業者に対する基礎的な要求としての位置づけ
食品事故を起こさないために農場に実施を義務付け
- 民間事業者及びその業界団体が定めるGAP(目的別のGAP)
例:優れた農業を実施していることを消費者に伝えるため
取引先の信頼性を評価するため
農産物の安全に対する消費者の関心は高まっています。消費者側から生産者や販売者に対し、安全性に関する根拠ある説明を求める場面が増えています。
「GAP認証」は安全・安心の根拠を示す方法の一つであり、一定の安全性が確保された農産物を選ぶ際の参考情報となり得ます。
今度、お買い物にお出かけの際は、野菜類の棚にある農産物を是非、じっくり眺めてみてください。安全のための取り組みの証明である「GAP認証マーク」が付いているかも知れません。
※〔参考資料 第1 回「GAP戦略協議会」議事要旨 農林水産省ウェブサイトより〕