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ファストフィッシュ 上手に選んで、おいしく食べよう!

ファストフィッシュ 上手に選んで、おいしく食べよう!

fastfishmarkファストフィッシュとは

電子レンジなどで加熱すればすぐに食べられるなど、料理時間が短縮できるように、 あらかじめ前処理(内蔵やうろこ、ひれ、骨,皮などを除去)、調味された魚介類やその食べ方のことです。

わが国における魚の消費量は減少傾向にあります。国民健康・栄養調査におけ る食品群別摂取量のデータ(国民1人、一日あたり平均摂取量)では、平成17年84.0gでしたが平成22年度は約72.5gにまで減少し続けています。(一方、肉類は増加傾向にあり、平成17年度ハ80.0gでしたが、平成22年度は82.5gとなっています。)
水産庁が2012年8月より、魚の消費拡大を目指して、ファストフィッシュの普及のとりくみをはじめました。

 

 

ファストフィッシュの基準

「手軽」・・・料理時間、買い物時間の短縮が想定されるもの
「気軽」・・・日常の食生活において、反復継続して購入することが可能な価格帯であるもの
ターゲットを明確にした量目、パッケージ、保存性を有するもの

その他・・・新規需要の開拓の可能性があるもの
品質・食味等の面で独自性があるもの

 

水産庁では「魚の国のしあわせ」プロジェクトの一環として、「ファストフィッシュ委員会」を設置し、ファストフィッシュの定義に合致する商品を選定し、普及させるとりくみをしています。ここで選定された商品には、ファストフィッシュであることを示すロゴマークを貼付することができます。また、選定した商品をホームページで公表しています。
月1回のペースで、これまでに3回の選定が行われています(2012年10月19日現在)。選定商品数は、1回目53商品、2回目522商品、3回目747商品と、回を重ねる毎に増えており、今後、ますます増加するものと思われます。

 

 

ファストフィッシュを上手に選んでおいしく食べるために

①アレルゲン表示を確認しましょう。
あらかじめ味付けされている商品がほとんどです。トレーに入った商品は裏側に原材料表示がされていることが多いので、商品の側まで、よく確認しましょう。
②調理方法を確認しましょう。
特に、レンジで加熱する商品は、パックのままレンジで加熱できるものが多いですが、レンジに入れる前に、ラップに穴を空ける必要があるものがあります。
また、加熱不十分ですと食中毒の原因にもなります。調理時間を確認し、使用する調理器具にあった加熱をしましょう。
加熱後は、トレーがかなり熱くなります。熱い煮汁がトレーからしみ出してやけどをしないように注意しましょう。

③開封後は早めに食べましょう。
ファストフィッシュに限ったことではありませんが、気をつけましょう。
特に、生の魚介類に味がついたものは、調味液の酸化や変質なども心配です。

 

消費者問題の専門家として考えてみました。

魚の消費拡大のための取組として、私たちは、どんなことを考えて情報発信、アドバイスをすれば良いでしょうか。①何より、私たちは魚介類に限らず、農水産物から命をいただいて、生きています。手軽に食べられるのは、フードチェーンのほんの一瞬のことであって、農水産物を守り、育て、捕り、収穫し、加工し、保管、輸送するという過程を経ています。
その背景には、多くの人の努力と配慮があることを覚えて、大事に食べることが消費者の役割とも言えるのではないでしょうか。
②魚には、中性脂肪を低下させたり、高血圧や動脈硬化を予防させたりする働きがある多価不飽和脂肪酸(DHA、IPA)を多く含んでいます。しかし、魚だけでは私たちに必要な栄養は得られません。バランスのよい食事をすることが重要です。
③五感を大事にした食生活も大事ではないでしょうか。
ファストフィッシュは、短時間で調理でき、便利ですが、便利さのみに注目するのは、いかがなものでしょうか。私たちの生活に必要な選択眼やリスクへの対処法は、食生活を通じて経験し、知恵となることも多いと思います。
鮮魚、特に、丸ごと1尾の魚(丸物)を選ぶときには、外観(色、つや、目のにごりなど)を見て、また、肉質の触感やにおいなどでおいしそうかどうかを予測します。そんな自分の五感を育てることも大事です。
そして、魚は、食べられる部分と食べられない部分が同時に提供されますが、それゆえに、よく見て、さわって、骨を取り除いたり、口の中でより分けたりして、リスクを回避することを経験します。
骨をとった魚は、高齢者や小さな子どもには食べやすくて良い反面、よく噛んで、異物があった場合には、気付けるような感覚を育てることを忘れがちになります。
食にゼロリスクがないことを、こんな場面から私たちは学んできたのではないでしょうか。

 

実際にファストフィッシュを体験してみました!

今夜、家で食事するのは大人2人。でも、ファストフィッシュとして売られている銀鮭は3切れ入り。どうしようかと悩んでいたら、目に付いたのは、ファストフィッシュマークがついた「バジル焼用ボイルほたて」。
手軽に夕ご飯の準備ができる!と喜んで準備にとりかかったのですが、これだけだと、どこか物足りない感じがします。
トレーのままレンジで調理ができるとのことですが、その前に、一手間かけてみました。
ほたてと調味液をトレーから大きめのお皿にうつして、冷蔵庫にあったタマネギをスライスして、ブロッコリも一緒に、ほたてと同じのお皿にのせて、ラップをかけて、レンジでチン!してみました。(加熱時間は設定の2倍)
野菜にバジルとほたての味がしみこんで、満足な仕上がりになりました。
cyouri

くらしに役立つミニ知識

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