スマートフォンのフィルタリング
1.フィルタリングとは
「フィルタリング」とは、インターネットで閲覧できる内容を制限することです。消費生活相談の現場には、未成年のアダルトサイトワンクリック請求やオンラインゲーム課金トラブル、SNSでの悪質な勧誘などの相談が数多く寄せられています。
「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」により、18才以下の子どもが使う携帯電話を契約する際、保護者は携帯電話事業者にその旨を申告する義務があります。また携帯電話事業者も、保護者が不要と申し出ない限り、フィルタリングサービスを提供しなければなりません。即ち、子どものインターネット利用の管理は保護者の義務なのです。
2.携帯電話会社の「あんしんフィルター」
現在、携帯電話通信事業者が提供するフィルタリングサービスは、「あんしんフィルター」と各社共通で名称が統一されています。「あんしんフィルター」のアプリは、新規端末購入時に店側でインストール方法と、iTunesやGoogle Playなどを使って自分でインストール方法があります。基本的には、店でインストールしてもらうことをお勧めします。
*いわゆる格安スマホの一部では、あんしんフィルターではなく、推奨アプリをアプリサイトからダウンロードする会社もあります。
閲覧を制限する対象は、子どもの理解度・成長度に併せてカスタマイズできます。例えば、ある大手通信事業者の基本仕様の場合、小学生向けの設定では「ゲーム」「動画・音楽」「SNS」「出会い系・アダルトサイト」4分類の全てを制限しますが、中学生向けでは「ゲーム」を制限から外しています。また、保護者の判断で、既成の制限設定内容をカスタマイズすることも可能です。
また、EMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)がフィルタリング対象から外しても大丈夫と認定している一部のSNSは制限外になっています。
<大手携帯通信事業者3社の「あんしんフィルター」代表的な制限対象比較>
(2017年8月の各社掲載情報に基づきICT活用研究会作成)
*LINEなど、EMA認定の一部のコンテンツは制限対象外です。
*「あんしんフィルター」詳細は、下記ご参照ください。
NTTドコモ https://www.nttdocomo.co.jp/service/anshin_filter/
au https://www.au.com/mobile/service/smartphone/safety/anshin-access/
ソフトバンク https://www.softbank.jp/mobile/service/filtering/anshin-filter/
3.「家庭での話し合いによるルール作り」が大切!
インターネットの世界には、危険やトラブルの原因がたくさん存在しています。フィルタリングソフトは、「情報を見分けて活用する」力が十分に備わっていない子どもにとって、防護服のようなものです。フィルタリングだけではなく、ペアレンタルコントロール(子供に悪影響を及ぼす可能性のあるサイト等を視聴・利用制限すること・それらのサービス)、レーティング(等級・年齢等のレートによる制限)などを設定することができます。しかし、子どもから「友だちとのコミュニケーションができない」「友だちが見ているサイトを見られない」などと言われて、保護者がフィルタリング等をかけない・外してしまう例が多く見られます。
大切なのは、フィルタリング、ペアレンタルコントロール、レーティング等で一方的に閲覧制限するのではなく、導入前に「なぜ制限が必要なのか」を家庭内でよく話し合うことです。その為には、日常の会話の中で、インターネットの便利で上手な使い方やリスクについて話題にし、子どもと一緒に学ぶ環境を作ることが大事です。その上で、スマートフォンの家庭内利用ルールを作り、家族全員で守り、時折ルールらを見直すようにすると良いでしょう。
(作成協力:NACS東日本支部 ICT活用研究会)