抗菌加工ってなあに
1999年に経済産業省発表の「抗菌加工製品ガイドライン」によると、一般生活用品、自動車、住宅用品等も含めた生活用品における抗菌加工は、菌やカビを殺すのではなく、抗菌加工した「当該製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」を「抗菌」と定義しています。
菌の増殖を抑制するという事は、抗菌加工のシャツでアトピーが治るとか抗菌加工靴下で水虫が治る。また抗菌まな板で切ったものは腐らない。抗菌加工のパックに入れた食品は腐らないというような、過大な効能効果はあり得ません。また、抗菌加工製品であっても手入れを怠って不潔にしていると、菌は増殖しヌメリや、臭いが発生します。
現在、購入時の目安として、繊維製品の抗菌防臭加工(SEKマーク)と繊維製品以外の抗菌加工(SIAAマーク)があります。
繊維製品の抗菌防臭加工(SEKマーク)
繊維製品は(社)繊維評価技術協議会が、「使用する加工剤と製品」の両面から安全性と性能を評価する試験を実施し、2つの要件をクリアした製品にSEKマークを認証しています。繊維製品の抗菌加工には、用途と加工等により4種類のマークがあります。
抗菌防臭加工SEKマーク(青)
繊維上の細菌の増殖を抑制し、防臭効果を示します。靴下やタオルなど試験方法は幅広い繊維製品に使用(抗菌防臭加工の試験方法は、JIS L 1902およびISO20743に制定され、国際基準になっています)。
制菌加工SEK マーク(橙)
繊維上の皮膚常在菌や有害細菌が増殖しないレベルに抑制します。
一般用途・・・一般家庭や食品業務用の繊維製品が対象。
制菌加工SEKマーク(赤)
特定用途・・・医療機関、介護施設等で使用される業務用繊維製品が対象(試験は、両マークとも黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌は必須菌。大腸菌、緑膿菌はオプション菌。赤マークは、医療機関で使用されるのでMRSAを必須菌として試験対象菌に入れています)。
光触媒抗菌加工SEK マーク(紫)
光触媒効果により、繊維上の細菌の増殖を抑制します。酸化チタンなどの光触媒加工剤は、紫外線等の光が当たると表面に活性酸素を発生します。これにより強力な酸化力が発生し、有機物の分解除去がされます。(試験菌として黄色ブドウ球菌と肺炎桿菌を使用)。シャツなどの衣類やカーテン等インテリア製品などで実用化されています。
繊維製品以外の抗菌加工(SIAAマーク)
繊維製品以外の抗菌加工(SIAAマーク)は、(社)抗菌製品技術協議会が、抗菌剤・抗菌製品の性能や安全に関する統一した規格、基準とその表示方法とからなる「自主ルール」を定めています。登録会社は「自主ルール」を遵守することを自主管理しており、「自主ルール」に適合していることを認定され、登録された抗菌剤、抗菌製品には、「自己認証マーク(SIAAマーク)」を表示しています。
この「自主ルール」は、1999年経済産業省公表の「抗菌加工製品ガイドライン」の内容を取り入れて制定されています。
SIAA 抗菌ISOマーク
抗菌加工製品の表面における細菌の増殖を抑制します。
抗菌加工製品の性能・安全性試験は、当該協議会が指定する試験機関の発行する試験証明書が必要となっています。
家電製品、建材、塗料、バス・トイレ用品、キッチン用品、通信機器印刷物等に使用されています(抗菌加工の試験方法はJIS Z 2801 がISO22196 として制定され、国際基準になっています)。