2016年「消費者志向エキスパート養成講座」を下記のとおり開催いたしました。本講座は企業、行政、消費者関連団体の方々に対して、消費者志向経営に関する知見をお伝えすることを目的としています。消費者対応をはじめ企業経営、品質管理、法務、広報、CSRなどあらゆる場面で戦略的に消費者志向を進める人材育成の支援が狙いです。
本年は、関心が高まりつつあるエシカル消費と本施行が迫る改正個人情報保護法をテーマに開催いたしました。

 

≪開催概要≫

【第1回】2016年12月7日(水)13:30 ~ 17:00
【会場】全国婦人会館2F
【プログラム】
1.開催挨拶    NACS理事 英賀成彦
2.講演

■「エシカル消費について ~消費者教育の視野の拡がり 消費者市民社会への参画~」
消費者庁 消費者教育・地方協力課 企画官 青山陽子氏
■「当社のエシカル消費への取組み」
株式会社ラッシュジャパン 取締役 ブランド担当役員 小林弥生氏

エクスターナルリレーションズ PRマネージャー 小山大作氏

3.グループワーク

 

1.開催挨拶
NACS理事 英賀より、本講座の主旨及び目的、要点についてお話し、本日最後のグループワークでは、お一人おひとりが自社に合った取組みのヒントを持ち帰っていただければと願っている旨、お話しさせていただきました。

 

2.講演
はじめに、エシカル消費について、消費者庁消費者教育・地方協力課企画官の青山氏にご講演いただきました。消費者庁では、人や社会・環境に配慮した消費行動である「倫理的消費(エシカル消費)」の内容やその必要性等について検討し、国民の理解と日常生活での浸透を深めるため、昨年5月に「倫理的消費」調査研究会を立ち上げ、今年6月に中間とりまとめを公表しました。エシカル消費は、①安全・安心、②品質、③価格に次ぐ、商品選択の際の第4の尺度として、消費生活において、消費者市民社会の形成に寄与するものですが、二面性もあり、押し付けにならずに自然な形で広がるように、消費者教育を通して推進していくとのことです。参加者からは、「消費者庁の考えを知るよい機会となった」「ポイントを絞りわかりやすかった」等の感想をいただきました。

 

次に、ラッシュのエシカル消費への取組みについて、ラッシュジャパンの小林・小山両氏からお話しいただきました。ラッシュはエシカル消費の先進国であるイギリスで20年前にできた自然派化粧品の会社で、創業当時の「ラッシュの信念」を守り、ビジネスそのものにエシカルが反映されています。動物実験をしていない原材料のみを使用して、無駄な包装も致しません。ラッシュの商品はエシカルだからではなく、カラフルでかわいく楽しいから買っていただき、その裏側で、実は社会や環境をよくするということが大切とのお話でした。参加者からは、「素晴らしい取り組みの裏側の努力も知ることができ大変参考になった」「エシカルやチャリティをマーケティングの前面に出さないという点は目からウロコだった」などの感想を頂戴しました。また、全体として、「エシカル消費関連の話はまだ少ないので、貴重な機会だった」との感想もいただきました。

 

expert2016-1

 

≪開催概要≫

【第2回】2016年12月14日(水)13:30 ~ 17:00
【会場】全国婦人会館2F
【プログラム】
1.講演

■「改正個人情報保護法の内容と委員会の取組み」
個人情報保護委員会 参事官 山本 和徳 氏
■「経済産業省 情報経済課の取組み」
経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 篠原 治美 氏

2.情報交換会

 

1.講演
第一講座では、個人情報保護委員会の山本和徳氏に、個人情報保護法の改正前と改正後の違いを中心に、その中でも事業者が守るべきルールを「ガイドライン・政令・委員会規則」(いずれも改正個人情報保護法の全面施行後に施行される)とともに、講演いただきました。参加者からは、「改正内容がよくわかる内容・資料で理解が深まった」、「講師の話が分かりやすく今後の参考にさせていただきたい」等の感想をいただきました。

 

第二講座では、経済産業省の篠原治美氏に、経済産業分野に係る個人情報の漏えい状況からガイドライン改正(案)まで、ポイントをお話しいただきました。また、「認定個人情報保護団体」が策定する必要がある「認定個人情報保護指針」に消費者の意見が必要な点も併せて解説いただき、アンケートでは「現状に即したわかり易い説明でした、今後の対応についても期待できる内容でした」等の感想が寄せられました。

 

2.情報交換会
講演後の情報交換会には、篠原氏にも出席いただき、改正個人情報保護法に企業としてどう対応していくか、認定個人情報保護団体であるNACSとしてどう進めていくかなど、参加者とともに交流を深めながら情報交換を行いました。ガイドラインが公表され全面施行が間近となったこの時期として、とても有意義な講座になったと思います。

 

expert2016-2