平成30年度 第15回「消費者志向NACS会議」を下記のとおり開催いたしました。本会議は、賛助会員・懇話会員、また一般の方に向けて消費者志向経営に対する理解を深め、事業活動の中で消費者志向を実践するための啓発・推進活動の一環として毎年開催している講演会です。
本年は、消費者庁創設10年の節目の年でもあることから、消費者志向経営をテーマに、行政、企業、各々の立場から消費者志向経営について、華やかな講師陣の皆様にご講演いただきました。また、会議終了後には名刺交換会を行い、講師陣及び参加者の皆様が親睦を深め、盛会のうちに終わりました。
今年度の参加者は80名を超え、これまでで最大規模の開催となりましたが、賛助会員の明治安田生命保険相互会社様のご厚意により、大変素晴らしい会場で開催する事ができました。参加された皆様から、会場についてもお褒めの言葉をいただきました。
開催概要
【日時】平成30年11月15日(木)13:30 ~18:45
【会場】明治安田生命新東陽町ビル
【プログラム】
1.開会挨拶 NACS会長 河上 正二
2.基調講演 「消費者庁創設が目指したことと、これまでの進展」
~福田総理施政方針演説から10年を経て~ 消費者庁 政策参与 川口 康裕 氏
3.企業事例(1) 「持続可能な社会の実現をめざして」
イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部 部長 金丸治子 氏
4.企業事例(2) 「“仙台発” アイリスオーヤマの消費者志向経営」
アイリスオーヤマ株式会社 品質保証部 部長 大泉宏明 氏
5.企業事例(3) 「当社における消費者志向経営の取組みについて」
明治安田生命保険相互会社 お客さま志向推進室 室長 後藤俊二 氏
6.基調講演 「新次元の「消費者行政・消費者教育」の展開」
四国・中国・関西、そして全国へ!
徳島県知事 飯泉 嘉門 氏
7.名刺交換会
実施報告
開会の挨拶は、今年の10月に就任された青山学院大学法務研究科教授の河上会長にご挨拶いただきました。独自の鋭い視点に加え、お人柄が伝わるユーモラスなお話で、和やかなにスタートいたしました。
前半の基調講演は、消費者庁の川口政策参与より、消費者庁設置から9年の歴史を消費者庁の6つの柱に沿って分かりやすくご説明いただきました。参加者からは「消費者庁設置の経緯から政策上の意義、使命等が網羅されており理解が深まった」「今後の方向性への示唆が興味深かった」「配布資料は辞書代わりに利用したい」等、大変好評でした。
企業の事例紹介では、まず初めにイオン株式会社グループ環境・社会貢献部部長の金丸治子氏より「持続可能な社会の実現をめざして」と題して、リサイクルループ、SDGsに配慮した事業活動等、3つの重点項目について大変興味深いお話をうかがいました。参加者からは「取組み内容が素晴らしく、参考になった」「消費者目線になって考えられた内容で勉強になった」等の声が寄せられました。
続いて、アイリスオーヤマ株式会社品質保証部部長の大泉宏明氏より「“仙台発” アイリスオーヤマの消費者志向経営」と題して、消費者志向経営で地方発「グローカル企業」を目指す取り組みについてご講演いただきました。参加者からは「事故情報もしっかり把握し、より良い製品を生み出すという姿勢が良いと思った」「スピード感のある経営体制を是非参考にしたい」等の意見が寄せられました。
最後に、明治安田生命保険相互会社お客さま志向推進室室長の後藤俊二氏より「当社における消費者志向経営の取組みについて」と題して、高齢者への対応を含めた同社のきめ細かい具体的な消費者志向の取組みをご説明いただきました。参加者からは、「目に見えない商品だからこそ、良いアフターフォローが重要になるのだということが良く分かった」「経営理念、ビジョン、バリューへとつながりのある活動が展開されており、企業の実力が伝わった」等の声が寄せられました。
後半の基調講演では、『新次元の「消費者行政・消費者教育の展開」四国・中国・関西、そして全国へ!』と題して、徳島県知事の飯泉嘉門氏より、消費者行政先進県としての徳島県独自の様々な取組みについてご講演いただきました。飯泉知事の熱い思いが伝わる力強く説得力のあるお話に多くの方が聞き入っていました。参加者からは、「消費者行政の明るい未来を感じる素晴らしい話だった」等、ほぼ全ての方からアンケートで「大変良かった」と多数の喜びの声が寄せられました。
飯泉知事には、講演後の名刺交換会にもご出席いただきました。冒頭で熱い想いが込められたご挨拶もいただき、知事との名刺交換には多くの参加者が列を作りました。
また、名刺交換会には当日の企業事例を講演して下さったアイリスオーヤマ株式会社の大泉様と明治安田生命保険相互会社の後藤様にもご出席いただきました。直接意見交換ができるという事で、参加者の皆様と名刺交換や活発な情報交換が行われ、盛会のうちに終えることができました。
消費者志向経営を、形だけでなく実態を伴った具体的な活動としてお話していただけた事で、参加者の皆様に大いに参考になった事と思われます。未来を、そして世界を見据える視点を身近な消費者や実務のレベルに取り込んで考えるという話題は非常に興味深く、参加された個人の方には消費者志向経営について再考する良い機会になった事と思います。また、企業の皆様には、行動する事の重要性を改めて考え、自社の取組みに活かせる具体的なヒントとして有意義な活動につなげていただければ幸いです。(報告者:理事 奥原早苗)