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消費者教育お助け研究会

KDDIパラボラ館の見学

2017年11月18日(土)午前中、山口市仁保にあるKDDI(株)の衛星通信施設「KDDIパラボラ館」を会員7人で見学しました。

衛星通信施設が山口市に開設されたのは約50年前の1969年で、山間部に位置する敷地内には、現在大小合わせて24基のパラボラアンテナが設置されています。最も大きいアンテナの直径は34mもあり、その迫力に圧倒されました。アンテナの向きは2方向に分かれていましたが、インド洋と太平洋の赤道上空3万6千kmの静止軌道上にあるインテルサット通信衛星やインマルサット通信衛星と交信するために調整されているそうです。

衛星通信施設の開設場所にこの場所が選択された理由には、2方向の人工衛星が見通せる場所に位置していること、台風や地震等の自然災害が少ないことが挙げられるそうです。かつては茨城にも施設がありましたが、現在はKDDIの国内唯一の施設として、海外からの音声や映像を受信して全国に配信する重要な拠点ということです。そのような施設が山口市にあることが誇らしく思えました。

通信障害等の事故発生時の対策として、施設内には自家発電設備や燃料備蓄等の備えがあり、警戒態勢も万全に行われているという説明を受け、通信の安定供給にご尽力されている状況を知ることができました。

なお、衛星通信に不可欠な人工衛星にも寿命があり、使用期限を過ぎたものは宇宙にそのまま廃棄されてきたという説明には驚きました。無数に存在する宇宙ゴミの対策が今後の重要な課題だそうです。

通信回線を利用するデータ量が急増している現在、世界との通信網として海底ケーブルも重要な社会インフラとなっています。海底には多数のケーブルがあり、KDDIもケーブル船を所有し、通信網の拡充や補修等に貢献されているということです。普段何気なく利用している通信サービスですが、これらの通信網の恩恵を受けているということを認識することができました。

今回の見学では、詳細に説明をして頂きました広報担当マネージャーの盛田昌樹氏(KDDI㈱グローバル技術・運用本部グローバルネットワーク・オペレーションセンター山口技術保守センター)に感謝申し上げます。

(山口 大場晃子)

株式会社ミライエfarm見学会

11月18日(土)、KDDIパラボラ館の見学後に、同じ山口市内で行われている自然薯の栽培の見学に行きました。

㈱ミライエfarmは、山口県徳地町島地で有機栽培の自然薯を生産する事業者です。案内してくださったのは代表の土井志則さん、コーディネーターの村上香織さん、従業員の品川みく瑠さんです。

自然薯は、元々山に自生しているものを収穫し食していましたが、10年前に山口県で初めて栽培方法が開発され、栽培が始まりました。代表の土井志則さんは、2013年から自然薯の栽培に取り組み、試行錯誤の末、3年目から収穫と出荷が順調にできるようになり、すでに本年度収穫分は予約で一杯だそうです。

収穫を待つ農地に案内され、自然薯の葉が枯れた後にできる零余子(むかご)を試食。「このまま生で食べられます。10粒食べると、10年寿命が延びると言われています。」と説明がありました。生の零余子は、ねばりやホクホク感があり、クセがないのに驚きました。

栄養を充分に行き渡らせる為、収穫前に零余子を摘み取り、順調に生育した自然薯は12月に収穫時期を迎えます。

土づくりや春の植え付けがいちばん大事で大変な労力を使う作業とのお話でしたが、最大1.3mと長い自然薯を掘り出す作業も、繊細で厳しい作業のようです。

自然薯の試食もさせて頂きました。皮をむかずそのままスライスしたもの、とろろは皮のまますりおろしたものを頂きました。驚いたのは、自然薯が全く変色せず、白いままだったことです。とろろは「ふわふわ」スライスは「さくさく」で、えぐみや灰汁を一切感じません。そのまま3日置いても、白いままで褐変はしないそうです。

とろろをほっとプレートで焼いて磯部巻きにしたり、とろろと野菜を混ぜて鍋に落としたりと、もちもち食感のつみれとして食す調理法がよいと提案されていました。

会員から「どうして農業を?自然薯を選んだ理由は?」との質問に、土井代表は「高く売れるからです。」ときっぱり。自然薯は、中国では「山薬」と言われ、滋養強壮に優れ、免疫力を高め、デトックス作用があると国内外で珍重されているとのことです。

自然薯は熱に弱く傷つきやすいこと、保管管理が難しいことなどの理由で、現在は飲食店やデパートを中心に販売されています。販路開拓や販売促進活動については、コーディネーターの村上さんの存在が大きいと思いました。海外セレブへの売り込みや、銀座での販促活動をする武勇伝など、実にパワフル。品質にゆるぎない自信があり、ミライエfarmの方々の「絶対に売れる!」という信念を感じました。

会員の感想として、

  • 栽培者が値段を決める「攻めの農業」を実践できている様子を知ることが出来ました。
  • 意欲的に取り組む若者が増え「山口県の農業」が語れる時代になってほしいと願っています。

等が出ました。

今後、農地を増やして生産量を拡大させ、とろろ等加工食品の製造販売を進めていくそうです。ブランド力がさらに高まり、近所のスーパーにミライエの自然薯が並び、手に取れる日も近いのではないかと思いました。

     (山口 関谷初枝)

 

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