nacs 公益社団法人 日本消費生活アドバイザーコンサルタント・相談員協会

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相談事例04

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フリマアプリで購入した服が届かない

相談事例04

年齢不詳 女性

相談概要

10日前、個人間で出品できるフリマアプリを利用して、ワンピースを購入した。

購入時発送方法未定となっており、出品者のプロフィールに「ノークレーム、ノーリターン」となっていた。「発送した」と相手から連絡があったが、普通郵便でポスト投函したらしく追跡が不能。

4日経っても届かないので、「届かない」とメールをし、「出品サイトのルールとして、こういう場合、事故調査依頼をすることになっているのでその依頼をしてほしい」と出品者に再三頼んでいるが、「仕事で忙しい」等理由をつけてしてくれない。

逆に、こちらに対し「商品到着しているのに、代金を支払わない」等と言いがかりをつけてくる。出品サイトの運営事務局にもこのことを伝え、対処を求めている。

当初は、協力的だったが、「双方で話合え、これ以上サポートしない」との連絡が来て困っている。どうしたらよいか。

アドバイス

  • 出品者も購入者も個人の場合は、個人間取引となり、「特定商取引法」の通信販売の規制は及びません。フリマアプリサービス提供事業者は、場の提供者という立場なので、商品等に関するトラブルについては、原則、まずは取引の当事者間で交渉を行うことになり、利用規約にも、その旨が明記されています。
  • 電子商取引及び情報財取引等に関する準則では、インターネットショッピングモール運営者の責任として、個別の店舗との取引によって生じた損害について、モール運営者は原則として責任を負わないが、例外として責任を負う場合もある、としています。規約で一定の場合協議に入るとしている事業者もあるので、個人間で解決しないとか、相手方と連絡が取れなくなるなどの場合は、フリマアプリサービス提供事業者に相談することとなります。
  • 商品の配送には、追跡番号や問合せ番号が付与されるサービスを利用すれば、少なくとも商品の授受に関するトラブルは防げます。また、「利用規約で禁止されている取引行為は絶対に行わないようにする」「未成年者がフリマアプリサービスを利用する場合は、家族で利用方法をきちんと確認する」等、利用に際して注意が必要です。
  • 消費生活センターでは、個人間のトラブルについて扱っていません。フリマアプリでのトラブルを防ぐために、取引相手がフリマアプリ事業者の推奨する方法を遵守しているかを事前に確認することが必要です。

一口メモ

*フリマアプリとは

フリマアプリとは、広場や公園などで不用品を売買するフリーマーケットを、インターネット上で提供しているアプリ(コンテンツ)です。登録は、メールアドレスやパスワード、ニックネームなどによる簡単なもので、ネットオークションとは異なり、出品者が設定した販売価格で、購入者は買うことができます。購入代金は先払いですが、一旦事業者が預かり、商品が購入者に届いたことが確認され、相互に評価が終了した後、事業者から出品者に支払われる仕組(エスクローサービス)が利用されます。スマートフォンなどで、いつでもどこでも簡単に利用できます。そのため利用者が急増し、「商品が届かない」「偽物や破損した商品が届いた」「商品を送ったのに商品が届かない」「返金を求められた」等のトラブルが多数起きています。

デジタルプラットフォームに関する法律

特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律

特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律(以下、特定DPF透明化法という)は、2021年2月1日に施行されました。特定DPF透明化法は、特定の大手デジタルプラットフォームを対象としたPtoB(Platform to Business)の法律です。特定デジタルプラットフォーム提供者の役割として、利用者へ取引条件等の情報の開示や自主的な手続・体制の整備を行うこと、運営状況を経済産業庁が有識者を交えたレビューを行い、結果を公表することが必要です。独禁法違反の恐れがある場合は、公正取引委員会が措置命令を行うこともできます。ただし、特定デジタルプラットフォーム提要者に限られることから、法の適用範囲は限られています。

取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律 取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(以下、取引DPF消費者保護法という)は、2022年5月1日に施行されました。多くのデジタルプラットフォームに対する消費者保護の法律といえます。取引DPF消費者保護法ではデジタルプラットフォーム提供者は規模や業態に関わらず、販売業者と消費者が円滑に連絡できるようにすること等の努力義務を負うこと、商品等の出品の停止、販売事業者に係る情報の開示請求権、官民協議会の組織、内閣総理大臣への申出制度などが定められています。同法では、オークションサイト、オンラインモール、シェアリングエコノミー、アプリケーションストアなどは対象ですが、情報サイトやSNSなどCtoCの取引は対象外となっています。

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